鬼滅の刃×新シート
白を基調とした機体塗装が印象的な777-200ER。特に、真っ白な垂直尾翼にかかれたANAの文字が他とは違う魅力を感じさせる。
この記事では、ANAが運航する『鬼滅の刃じぇっと参』並びに新仕様の座席を搭載した『777-200ER』に搭乗した際のレポートをお届けいたします。
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搭乗口9から搭乗
搭乗口9は保安検査場から近いわけでも遠いわけでもないところにあり、保安検査場を過ぎ、少し下に下がってすぐの搭乗口(10番)ではなく、少し歩きます。
今回は777-200ERで運航されますが、割と空いており空席が目立つ便でした。保安検査締切前、ANAの座席指定画面上では窓なし席や窓側ブロックの通路側席はところどころ空席があった。また、中央のブロックはほとんど空席だった。
L2に接続するブリッジは既にクローズしており、L1から搭乗。入ってすぐのところに客室乗務員の方が立たれており、『この機材はモニターがついている機材でございます。イヤホンいかがでしょうか』と気の利く言葉とともにイヤホンを配っていた。
いつも通りのAnotherSky。プレミアムクラスも多少の空席が見られ、普通席は窓側は埋まっていて中央が空いているかなぁといった具合。
座席に着き、モニターをタッチしてみると、まだ『Thank you for flying with us』と到着した際の表示のままでした。このあと、少しすると『Start』の画面になりました。
やはり空間が広い
777なだけあって縦も横も他の機材に比べればもちろん広く、今回の機材に関しては座席が新しい仕様ということもありかなり快適な感じがしました。
また、下記の記事でも少し触れていますが、777-200/ERは機体後方になると前方普通席では3-4-3の座席配列だったのが、2-4-2となります。2-4-2の配列に入ったところは通路が広く歩きやすいです。しかし、機体後方になるに連れ少し狭くなります。
オーバーヘッドコンパートメントは大きく、ボーイングの機材でよく見られる形のものです。また、中央のものは開いている状態ではかなり下まで下がっており、荷物を収納しやすくなっています。しかし、閉めてしまうとかなり上まで上がります。そのため、開けるときは少し大変な場合があるかと思います。よくわからないかもしれませんが、乗って確かめてみてください。(記事内ではこの画像がわかりやすいかも)
オーバーヘッドコンパートメントが全て閉まるとより機内が広く見えます。
ドアクローズ
ドアを閉め、羽田へ向け出発です。出発時普段と特に変わることはなくプッシュバック、タキシングとなりました。
しかし、1つだけ今回は異なる点があり、搭乗している機材は鬼滅の刃じぇっと参。チーフのアナウンス後「ここで副操縦士の...」と聞こえてきました。この時は(え、このタイミングで副操縦士の方からなにかあるの)と思いましたが、そのあとを聞いてみると「...かまどたんじろうからアナウンスです」とのことでした。
ここで、鬼滅の刃のキャラクターたちによる特別アナウンスが流され、ANAでの空の旅のはじまり、となりました。
離陸
いつものようにタキシングを続け、滑走路手前まで来ると、アナウンスが入りました。『着陸機2機を待ってからの出発となります。あと5分程お待ちください。』と。ちょうど到着便が着陸するタイミングに重なり、新千歳と鹿児島からのANA機の着陸待ちをし、伊丹RWY32Lへ進入。滑走路へ向けて再び動き出す際のエンジンの音が777に乗っていることを感じさせてくれる良い音でした。
滑走路に入るとすぐに滑走を開始。ANAで離陸前によく聞く『○○空港到着時刻は○時○分の予定でございます』というアナウンスが、今回離陸の滑走と少々重なり、なんか不思議な感じでした。そのまま、伊丹空港を離陸、離陸後は左へ旋回し羽田空港をめざします。
鬼滅の刃じぇっと
※2024年4月9日をもって鬼滅の刃じぇっと参の運航が終了し、この記事で取り上げている壱、弐、参はすべて日本の空から既に去っています。残るはQ400の『鬼滅の刃 ぷろっぷ』。
ANAと鬼滅の刃は2021年12月よりタイアップを開始したそうで、その象徴として特別デザインの機体が就航しているようです。
2023年3月時点では、『壱』『弐』『参』の3機となっており、日本国内多くの路線に就航しています。
3機はそれぞれ、定期便に就航する前日に遊覧飛行を行い、翌日より国内線定期便に就航しました。
『壱』は2022年1月31日、『弐』は2022年3月26日、『参』は2022年10月3日に国内線定期便に就航しました。運航開始当初は一定期間固定ダイヤで運航されていましたが、現在では日本国内多くの路線に投入されています。
機体番号:JA616A 機種:ボーイング767-300ER
空席照会で『76P』と記載されている便
鬼滅の刃 じぇっと ー弐ー
機体番号:JA608A 機種:ボーイング767-300ER
空席照会で『76P』と記載されている便
鬼滅の刃 じぇっと ー参ー
機体番号:JA745A 機種:ボーイング777-200ER
空席照会で『722』と記載されている便
※予約画面で『76P』『722』と記載されている便がすべて『鬼滅の刃じぇっと』というわけではございません。鬼滅の刃じぇっとと同機種だということで、可能性があるということです。また、表示は急遽変更となる場合があります。ご自身で最新情報をお確かめください。
機体塗装だけでなく、特別塗装機の機内では特別なヘッドレストカバーやキャラクターたちによる機内アナウンスなどがあります。
その他特別塗装機以外でも限定デザインの紙コップや機内エンターテインメント、お子様用の機内限定コラボメンコなども登場しています。
機外でもANA FESTAなどでオリジナルグッズを販売しているようです。
新仕様の722
落ち着いた色、全席に完備されている個人用モニターが印象的なANAの新シート。
2019年頃から導入され、プレミアムクラス、普通席ともにシートが新しくなりました。プレミアムクラスに関してはシート更新に伴い増席するなども行われました。
新シート導入が発表された当時は、対象機材が『ボーイング777-200型機 8機、ボーイング787-8型機 11機』*1となっていましたが、現在787-8で新シートが搭載されている機材はありません。(恐らく、計画が変更されたのでしょう)
普通席の新シートはトヨタ紡織とANAが共同開発したもので、既に767-300に搭載されていたもの(恐らく現在当該機材は退役済み)に新たな工夫が加えられ、快適性や座り心地を進化させたものだそう。
新シート導入発表当時国内線普通席としては最大となる11.6インチのタッチパネル式個人用モニターが設置されている。現在では新787-9に搭載されている13.3インチが国内線普通席最大サイズ。ちなみに、JALの国内線787/A350普通席に搭載されているモニターは10インチ。
シートにはたくさんのこだわりがあるようで、どのような体格の人が座ってもフィットするようなシートになっている。例えば、リクライニングも十分に初期状態で倒れており、モニターの角度も見やすい角度になっていたり、座面が通常のシートに比べて低くなっていたりする。
テーブルではカップホルダーの形状をクローバー型にし、紙コップが取り出しやすいように改善されているそう。
新たに導入されたGE製のエンジンを搭載した787-9にも新仕様のシートが搭載されており、先述した通り国内線普通席では最大となる13.3インチの個人用モニターが取り付けられているとのこと。
2020年ANA発表によると、787-10と787-9、20機の追加発注では、777の後継機として787-10を国内線に導入、2022年度から2024年度に納入(1)。787-9は国際線の中長期における成長原資として、追加発注を決定したと掲載されている。しかし、現在GEエンジンを搭載した787-9はANAで2機、国内線で活躍しており、当初の計画が変更になったものとみられる。*2
<追記>
(1)において、2023年秋から国内線に導入されることとなったようです。⇒延期となり2024年3月27日に就航いたしました。
*1 ANAHD 第19-018号 2019年5月30日発表 による
*2 ANAHD 第19-038号 2020年2月25日発表 による
乗ってわかったことを紹介
率直な感想としては、普通に快適に過ごすことのできるシートでした。
はじめに、座って感じたこととしては、『あれ、なんか低いな』ということでした。座ってみると、違いがよく分かりますが、よくある航空機のシートに比べて座高が少し低くなっています。はじめは単純に低く感じるだけかと思っていましたが、後々調べてみると、先述した通り、これも一つの工夫だったようです。
また、シートの座り心地に関してですが、何とも言えない気持ちよさです。ANA内で言えば、国内線の767や787、新仕様ではない777などに搭載されている、明るいブルーのシートに近い座り心地ではないでしょうか。硬すぎず柔らかすぎず、本当に体にフィットするような座席でした。今回は搭乗時間が短かったためわかりませんが、これなら羽田ー那覇などのフライトでも楽々なのではないでしょうか。
次にテーブルですが、特殊な形をしていて、カップホルダーの形状が違うという以外で違和感は特にありませんでした。ANAではよく見る、テーブルの前後の位置を調整できるタイプのもの。テーブルの手前が少しくぼんでいるので、これにより多少空間が広く感じる部分もあったかもしれません。ノートパソコンなどを置いて作業をする分にはあまり問題はないかもしれませんが、何か紙やノートなどを使用したり、勉強したりする際には少し支障になるかもしれないですね。
こんな感じ。横から見ると分かりやすいかと思いますが、テーブルはそこまで大きくはありません。モニターも設置されていますし、国内線の普通席ですから基本的に食事が提供されることもなく、ドリンクを置くこと以外がっつりテーブルを使用するということはあまりないと考えられているのかもしれません。
次に足元ですが、PC電源が座席数分備えられているため、そこまで広いとは感じなかった。また、画像を見ていただければわかるように、中央のブロックに関しては、座席を支える脚によって、前の座席の下は3つに分けられています。通常、多くの場合であれば前の座席の下は、下図のようになっていて、4列シートであれば前の座席下は4つ、3列シートであれば前の座席下は3つ、2列シートであれば前の座席下は2つといった場合が多いかと思います。
しかし、そうでない機材ももちろん存在します。今回は満席ではなかったので良かったですが、荷物がある場合、前の座席の下に均等に収納することが難しくなる場合もあるかもしれません。混んでいるときは少し注意が必要かと思いました。
PC電源も、座席下に全席分完備。モニター下にはUSBポートとイヤホンジャックが備えられています。PC電源に関しては使う機会が少ないですが、USBポートは大変助かりますよね。
最近は、国内線用の機材でもモニターが全席に備わっている機材が増えてきました。自席の目の前にあるモニターでフライト情報を確かめることができたり、安全ビデオも各自目の前のモニターで見ることができたりと良いこともたくさんあります。使わない人は使わず、使いたい人はモニターでフライト中快適に過ごすことができる。悪くないと思います。
今回のフライトではフライトマップしか使いませんでしたが、他にプログラムやエンターテインメントの内容で何か新仕様の座席だからと言って変わったことはなかったかと思います。
ANAは、モニターでのエンターテインメントが豊富で、映像作品のほかオーディオはもちろん、翼の王国やその他雑誌をはじめとする書籍も閲覧することができ大変便利です。
フライトのレビューに戻ります
離陸前より前線の影響並びに全国的な悪天候により、飛行中は揺れが予想され、ドリンクサービスも冷たいお飲み物に限るとのことでしたが、上空ではそれほど揺れず、快適に過ごすことができました。
上の図をご覧ください。今回搭乗した機材の座席配置のイメージ図です。両窓側2ブロックは45列目が最終列となり、中央のブロックは窓側ブロックより2列多く設定されており、46、47列目まであります。図の『CA』と書かれた位置には客室乗務員が着席するジャンプシートがあります。また、それぞれL4、R4ドア付近ということになります。
つまり、赤で塗りつぶされた『47D・47G』席に着席された方は、離着陸時など客室乗務員の方と斜めで対面になります。客室乗務員と対面になる座席やこのように横にジャンプシートがあるという機材、座席は多数ありますが、この722もその一つということです。
座席を指定される際はよく考えてお選びください。
到着
雨の中羽田空港RWY34Lに着陸しました。到着後にも、鬼滅の刃のキャラクターたちによるアナウンスが入りました。
到着後も特別塗装機だからと言って変わりなく、AnotherSkyを聞きながら降機。しかし、通常塗装機と異なるのは、降機時ドア付近で客室乗務員の方よりシールの『搭乗証明書』が渡されることだった。
ボーディングブリッジが接続されている真っ白な機体を見ると、機番さえかくれていればJALかANAか、それとも、、となる気もしなくもない。
つまりにつまっていた
伊丹から羽田までの約50分ほどのフライトでしたが、50分の割にはとても内容の濃いフライトになりました。
鬼滅の刃じぇっと参、そして新仕様のシート、777ととても良きなフライトでした。
これから新仕様のシートは様々な機材に拡大されてもおかしくはないので、今後乗る機会が増えるかもしれません。鬼滅の刃じぇっともまだ継続して運航されるかと思いますが、早めに乗っておいて損はないかもしれません。
新仕様シート搭載の777-200ER、並びに鬼滅の刃じぇっと参の可能性がある機材は、ANAの空席照会画面で『722』と表示されます。是非機会があれば狙ってみてはいかがでしょうか。
また、12歳以上25歳以下の方は条件を満たせば、当日安く購入・搭乗できる運賃制度『スマートU25』というものがありますので、それで当日に狙ってみるのも良いかもしれません。
参考
以上