素晴らしい
日本国内線には様々な航空会社が就航している。航空会社や機材によって搭載しているシートが違うこともよくある話だ。様々なエアライン、機種を利用する方であれば、自分が乗りやすいと感じるシートを見つけたり、ということもあるだろう。逆に決まったエアラインや路線を利用される方であれば、乗りなれた安定のシートがあったりもすることだろう。
ファーストクラスやプレミアムクラス、クラスJ、普通席などなど様々なクラスがあるが、普通席でもエアラインや機種によってシートの仕様が異なったり、同じエアライン内でもシートの仕様が異なったりする。
そんな、たくさんのバリエーションがある日本国内線のシートのなかで日本航空の787、A350に搭載されている、クラスJシートの搭乗レポートをお届けする。
※人によって感じ方が変わってくるかと思いますので、是非実際に搭乗して確かめてみてください
アップグレード
クラスJと聞くと『プラス1,000円』というワードが頭に浮かぶ方も多いのでは。以前は本当に1,000円追加するだけで、あれだけ快適なシートに座れていたのでとても素晴らしいサービスだったと思う。
しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大や燃油価格の高騰、そのような経営環境の中でコストの削減を徹底していたとのことだが、その影響が長期化していることなどを受け、2022年4月15日より国内線運賃/料金の変更が行われ、重ねて運賃や当日アップグレードなどの値上げが実施された。
これにより、普通席からクラスJへのアップグレード料金が3段階になり路線によって定められている。
そして、2023年4月12日国内線の運賃制度が変更となり、アップグレード料金もさらに10%値上げとなった。
東京=山形・小松・名古屋や大阪=福岡・鹿児島・長崎、那覇=石垣などが+1,100円
北海道=東京・名古屋・大阪、東京=大阪、福岡、福岡=那覇などが+2,200円
沖縄県=名古屋・東京・小松、福岡=札幌などが+3,300円
+2,000円の路線が多く設定されている印象で、+3,000円の路線は少ない。以前までは全路線+1,000円だったため少し高く感じるかもしれないが、それでも妥当な価格設定ではないか。以前が安すぎただけかもしれない。
アプリからも
以前まではカウンターや自動チェックイン機で空港で行う必要があったアップグレードだが、出発予定時刻の4時間前からアプリで操作することもできるようになった。
詳しいことはお調べになることをおすすめする。
実際に乗ってみた
今回は那覇から羽田までA350のクラスJに搭乗。今回搭乗したA350は、クラスJの席数が多いタイプのX11だった。新しい仕様のクラスJに乗れる路線としては最長だったかと思うが、今回のフライト時間は2時間もない。
今回は後方のブロックの座席を指定した。座席に着いた瞬間から快適さを実感した。A350という機内空間も多少は影響しているかもしれないが、狭さを感じないそんな空間だった。
座席周り
ひとまず那覇空港を離陸。A350なのでもちろん機外カメラの映像を見ることもできる。
まず、モニターに関しては程よい大きさと距離感だった。
普通席だと近すぎる感じで少し狭く感じてしまうのに対して、クラスJはとても余裕がある印象で、近すぎず遠すぎずといったところでしょうか。肘掛け下のあたりにコントローラーも収納されており、体を前に出さずにモニターを操作することも可能。また、コントローラー横にはリクライニングとレッグレストを操作するためのボタンもあった。従来のシートの場合はレバータイプのものだったが、ボタンとなっていた。
画像の通り座席と座席の間は完全に仕切られており、小物をしまうための収納ポケットも備えられていた。そして、その仕切りにはテーブルも収納されており、テーブルを出さずともドリンクを置いておくことができるカクテルトレイも設置されていた。
座席周りに設置されているものは、従来のクラスJと変わりはあまりないが、もちろんデザイン等は異なる。
レッグレストは思ったよりも上まで上がり、リクライニングと合わせて使用するとかなり快適だったかと思う。しかし、救命胴衣がレッグレストに収納されており、取り出しやすいようになっているため、その少し出ている部分が気になる場合もあるのではないかと感じた。ただ、まだ新しさが少々残っていたのか、レッグレストを操作するボタンは少々硬く、リクライニング・レッグレストを操作するボタンは先述した通り、隣の座席との間の仕切り部分に設置されているため、少々操作がしにくいとも感じた。
この仕切りは各座席の両側にあり、今回着席したG列の場合には、座席左側にコントローラーとリクライニング、レッグレストの調整ボタン、右側に収納ポケットがあった。
これは座席によってコントローラー、収納ポケットの位置は異なっていて、A350の場合、ADFH列は右側にコントローラー、CEGK列は左側にコントローラーとなっていた。
リクライニングは普通席同様、座面もスライドするタイプで、ヘッドレストもしっかりとしており、好みの高さや横の部分を持ち上げたりとすることで、好みにあえばかなり快適に過ごせるものなのではないかと思った。
その他普通席にはないものとして、座席から出ている読書灯がある。この読書とはとても使い勝手がよく、通常の頭上についている読書灯とは異なり、自分が光を当てたい位置にしっかりと光を当てることができる。白色で暗い場面ではとてもはっきりと見える光なのではないかと感じた。
また、ジャケットフックやヘッドホンといったものももちろん設置・用意されていた。
単純に快適
A350のクラスJは2-4-2の配列で多いものだと94席、少ない機材だと56席搭載されている。今回は普通席よりもクラスJの方が空いていたため、当日アップグレードで搭乗した。
普通席はかなり搭乗されていたようだが、クラスJは窓側の2列を1人で、中央の4列を1グループで利用されている方も多くとても静かな雰囲気だった。
787にも同じタイプのクラスJが搭載されているが、配列は2-3-2となっている。そのため、座席幅は787の方が少し広くなっている。
シートピッチは普通席よりも約18cm広く、幅も普通席より数cm広くなっている。
快適なのは、広さだけでなく、座席ごとに仕切りが設けられており、少しであってもプライベート空間が確保されていることや、テーブルを展開してもスペースに余裕があったり、前後の座席間のスペースに余裕があったり、座席の色が落ち着いた色をしていたことも関係しているのではないかと感じた。
テーブルも大きく、だいたい14インチぐらいのノートパソコンぐらいのサイズであればすこし余裕をもって置くことができるかなぐらいのサイズだった。
本当に座ったら分かる快適さだった。これがちょうどよいと思ってしまうことがあっても、改めて考えると、普通席と比べてしまうと、快適だということがより実感できる座席だったかと思う。
荷物に注意
手荷物がある場合は注意したいポイントがあった。まず、今回搭乗したG列の座席は”前の座席の下”に手荷物を置く場合、小さいサイズのものでないと置くことが難しかと思う。画像のように、たまにある座席を支える脚が、各座席の肘掛けの真下でないことがある。その場合、座席のよって荷物を置いておくことのできるスペースが狭くなったりする。
そして、上の荷物棚も大きいものが採用されているが、それが裏目に出ることもある。奥が深めなもので、小さいものだと到着後取り出すのが難しくなる場合がある。
A350特有の難点もあり、クラスJの座席配列が2-4-2だということで、中央は荷物棚よりも座席がだいぶ外に飛び出しており、余計にものがとりづらくなっている。逆に言えば、窓側の荷物棚は座席よりも通路に出ているため取りやすいかもしれない。
また、中央は窓側よりも少々高い位置に荷物棚がある。そのことも考えて荷物を収納したいところだ。
価値ある座席
言葉で伝えるのが難しく、その上文字ばかりのながめの記事になってしまったが、それだけJALのクラスJには魅力が詰まっているということだ。今回はA350/787で採用されているタイプのものをレビューしたが、767/737/E90のタイプのものもかなり快適だ。
少しでも興味を持たれたら、1度は、そしてしばらく乗っていなかったという方でも搭乗してみるとよいでしょう。
以上