旅するおしゃべりくまさん

誰かのお役に立てれば幸いです。

さくらジンベエと空中散歩

可愛らしい機体


長年多くの人に愛されており、うちなーの翼JTAの一員である、『ジンベエジェット』と『さくらジンベエ』。全長39.5m*の胴体いっぱいに描かれたジンベエザメが印象的な2機。
この記事では、さくらジンベエに石垣から那覇まで搭乗した様子をお届けいたします。
*JAL機材情報による

ジンベエジェット


1人のJTA運航乗務員から始まった、JTAの特別塗装機『ジンベエジェット』。そして後にデビューした、機首にカンヒザクラが飾られたサクラ色の『さくらジンベエ』。

それぞれ、初代は少し前までJTAで活躍していた、737-400型機だった。初代ジンベエジェット2012年12月にデビューし、2014年1月には初代さくらジンベエがデビュー。

そして、JTAでも737-400から737-800への機材更新が始まり、現在の2代目に塗装が引き継がれた。短い間だが、新旧4機が同時に沖縄の空の下に集合したこともあったようだ。

ジンベエについて

JTAの創立45周年と沖縄美ら海水族館開館10周年を記念して企画されたそう。
737-400から737-800への機材更新のタイミングで、初代ジンベエ2機は退役となったが、JTAと沖縄美ら海水族館とのタイアップは継続となり現在でも新ジンベエが2機活躍している。


<機材情報>
ジンベエジェット:737-400 JA8939、737-800 JA05RK
さくらジンベエ:737-400 JA8992、737-800 JA06RK

何度も書きますが、現在では737-800型機JA05RK、JA06RKの2機が沖縄県内をはじめ、日本の空を飛び回っている。

石垣空港

Ishigaki Airport Domestic』。記念撮影に使われている方も多くいらっしゃる場所。『国内線』の方で写真を撮っていらっしゃる方は多く見かけるが、『国際線』の方で写真を撮っている方はあまり見かけない。

『石垣空港』じゃなくて、『新石垣空港』だ!とおっしゃる方もいるかと思うが、正式名称は『新石垣空港』だが、『南ぬ島 石垣空港』が愛称なため、この記事では『石垣』または『石垣空港』と呼ぶ
石垣空港は2023年4月現在、定期便が就航する空港としては最南端の空港ではないか。余談だが、石垣ー波照間、多良間線を第一航空が運航させる予定になっているが、何度も延期が繰り返され、現在(2023.4)でもまだ就航はしていない。
石垣空港は割と新しい空港ということもあり、ターミナル内はきれいで、大きすぎず小さすぎずとても便利で過ごしやすい空港だ。
気温・湿度が高い時期などは特にだが展望デッキは少し蒸し暑く感じることもあるが、周りは緑に青。滑走路側を向けば島の陸が見え、その反対側へ行けば白保付近の海岸を眺めることができる。かなり良い展望デッキだ。
石垣空港の飛行機を見ることのできるスペースは一つだけでなく、いくつもありとても充実している。スポットの目の前でガラス越しにマーシャラー体験ができる展望スペースや、エプロンの地上と同じ高さからガラス越しに飛行機を眺めることができるスペース、ベンチに座りながら見ることができるスペースもある。

さくらジンベエに乗り込む


少し前まで降っていた雨で路面はぬれているようだ。今回の使用スポットは8番。国内線では一番端のゲートから搭乗となる。

那覇まで空の旅を共にする機材はJA06RKさくらジンベエ。関空から到着した便の折り返しだったかと思う。

搭乗はとてもスムーズだった。なぜならば、搭乗している人がとても少なかったからだ。搭乗順のグループは関係ないくらいの速さで、すべてのお客さまの搭乗になっていた。

石垣空港のブリッジはスケルトンになっているため、さくらジンベエまでの下り坂を歩いている際、ピンク色の機体がブリッジ内からもよく見えた。

指定された座席に着席。既に暑くなっていた石垣、機内に入るととても涼しい。機内はいつもの雰囲気。JTAらしい落ち着く雰囲気が漂っていた。島唄や谷茶前節などのBGMが流れており、スカイインテリアの快適な機内空間。

当時梅雨頃だったため、天気はあまりよくない。しかし、強い日差しがさしているよりかは楽だったかと思う。

石垣とお別れ


あっという間にプッシュバック。左手には新設された国際線ターミナルボーディングブリッジを見ることができた。また、国際線ターミナル上部には『ISHIGAKI AIRPORT』の文字が見られる。

石垣空港のプッシュバックはこのくらいの角度で終わる。何気ないものだが、石垣空港の名物でもあるらしく、『スラントプッシュバック』と呼ばれており、傾斜を意味するスラントという言葉がついている。


※あくまでもイメージ図。実際の大きさなどは考慮しておらず簡略化したものである。
JALが羽田空港の一部スポットで始めたショートプッシュバックとほぼ同じで、エプロン内でプッシュバックを終える。そのため、画像でいう後ろの誘導路を他の機材が走行する際も邪魔にならない。なんとなくの考察も入っているので、詳しいことはわからない。

また、石垣空港の場合プッシュバック後飛行機を止める印のようなものがある。


フラップを展開し、737独特のエンジン音を出しながら出発。グラハンの方に手を振り返し、誘導路へ。


※あくまでもイメージ図。実際の大きさなどは考慮しておらず簡略化したものである。
先ほどの特殊なプッシュバックの続きだが、誘導路から少し離れたところに飛行機は停止している。そこから、今回の場合だと大きく右に曲がり、頭をターミナルと反対に向け、そのまま左へ曲がり誘導路に乗っかる。


このようにちょうど関西行きのANAもプッシュバックをしていましたが、どちらかがどちらかを待つ必要もない。

もちろん、機材の大きさによって止める位置や方法は異なる場合がある。石垣空港には度々777が飛来していたが、777の場合エプロン内でターミナルに対して90度で停止していたと記憶している。しかし、777がエプロン内でプッシュバック中であっても、737であればその横を通ることはできていた。また、777も停止した位置から誘導路までは上の図と同じような感じで出発していっていた。

曇り空へ


滑走路端までやってきた。今回、滑走路へ進入する際変な入り方をした。画像を見ると多少の違和感にお気付きになる方もいらっしゃるかと思うが、本来進むべき方向ではない方に少し向いている。


少しでも滑走距離に余裕を持つためなのか、なんなのかはわからないが、一度少し左へずれたのち右にぐっと頭を向けた。

そのまま、パワーを上げ離陸滑走を開始。


島の山々を眼下に見ながらぐんぐんと雲へ近づく。小さな揺れを伴いながら雲へと近づく。そのまま石垣島に別れを告げ、雲へと突っ込んだ。

今回のフライトについて


雲を抜けるといつもの空。下は厚い雲。雲の下では薄暗かった機内も、雲を抜けると窓から日の光が差し込み、何とも言えない素敵な雰囲気に包まれていた。

フライト情報

NU612便 石垣那覇
定刻:13:10 - 14:15
機材:737-800 / さくらジンベエ

今回のフライトは、石垣空港から那覇空港までの、距離も時間も比較的短い沖縄県内の路線。今回石垣から那覇までは順調な様子で、上空にいた時間は約45分程だった。

石垣から那覇までは区間マイルで言うと、247マイル。区間マイル数が近い路線だと、新千歳ー秋田線が238マイル。

これがどのくらいか、東京=大阪間が280マイル、大阪=福岡間が287マイルといったところ。

運賃はJALによるとウルトラ先得で6,700円となっていた。

とても空いていた

時期や時間帯もあってか、機内はとても空いていた。周りにもほとんど乗客はおらず、一列まるまる空いている席も目立っていた。

そのため機内はとてもゆったりとした感じだった。外国人とみられる方や、赤ちゃんとご一緒に搭乗されている方など、乗客は様々だった。

フライト中、下はほとんど雲だったため、下の景色はあまり見ることができなかったが、途中眼下に下地島らしき陸地を雲の切れ間から見ることができた。

機内サービス

飛行時間は約45分程度。実際上空でサービスを行える時間は僅かなものだ。

今回のフライトでは、希望する乗客には『さんぴん茶』が配られた。先述した通り搭乗客は定員に対し少なかった。そのためかはわからないが、カートではなくトレーに用意されたさんぴん茶をのせ、配っていた。

カップはジンベエジェットさくらジンベエ限定の紙コップ。今乗っている機体がさくらジンベエだということを思い出す瞬間だった。ジンベエジェット・さくらジンベエの機内は普通のJTA機と大きく変わる部分はないが、紙コップに関しては特別仕様のものが提供される。

客室乗務員の方から記念に、と新しい紙コップさくらジンベエポストカードを頂いた。


短いフライトだが、その間JALの機内Wi-FiサービスJTAオリジナルのエンターテインメントサービスを楽しむこともできる。

この記事で深くは取り上げないが、特に興味深いのは『探しに行こう沖縄(うちなー)の宝』。これも長い間提供されているサービスであり、なかなか面白いものだ。

また、このサービスの発案者はジンベエジェット誕生のきっかけとなった人物と同じ機長であると聞いている。あの有名なJTA機長がきっかけとなった機体に乗りながら彼が発案したサービスを楽しむなかなか貴重な経験ができた。

JTAに乗った際にはぜひ利用してみてほしい。

あっという間


さんぴん茶を飲んで、ARサービスを体験していたらあっという間にシートベルト着用サインが点灯。晴天の青空からもう一度雲に突っ込む。

しばらく雲の中を飛行し、フラップを下げそのまま降下を続ける。


雲が多く、一般的に綺麗と言われるような色ではないが、那覇空港周辺らしいサンゴの多い海が見えてきた。さくらジンベエとの空の旅も終盤。


少々揺れを伴いながらではあったが、そのまま那覇空港の第二滑走路にドスン。無事に着陸し減速。

『皆様、那覇空港に着陸いたしました。飛行機が完全に停止し、シートベルト着用のサインが消えるまでシートベルトはそのままお締めください。』いつものアナウンスを聞きながらタクシーを続ける。


第二滑走路から第一滑走路側へ渡る際、海が良く見える。良い白波がたっていた。

『約45分間の空の旅、機内ではごゆっくりおくつろぎいただけましたでしょうか。このあとお乗り継ぎのあるお客さま、最終の目的地まではどうぞお気をつけてお帰り下さい。』『今日もワンワールドアライアンスメンバー日本トランスオーシャン航空をご利用くださいまして誠にありがとうございました。いっぺ~にふぇーでーびる』最後には那覇到着便ですのでしまくとぅばでのあいさつがあった。心温まる素敵なアナウンス。


そのまま滑走路を横断し、スポットを目指す。格納庫エリア近くを通り過ぎ一度左へ曲がってからの滑走路横断となった。


そのまま26番スポットに到着。隣には同じJTA機が止まっていた。

搭乗客が少なかったこともあり、降機も大変スムーズだった。短いフライトではあったが、JTAでの濃いフライトだったので、名残惜しさもあった。

さくらジンベエ


とても素敵な特別塗装機『さくらジンベエ』との空の旅。そして、石垣から那覇という短い時間のフライトではあったが、JTAの手厚いサービスでとても良い思い出となった。

この『さくらジンベエ』は石垣宮古那覇はもちろん、福岡小松羽田にもやってくることがある。
また、2023年度より羽田=小松線、羽田=岡山線の一部期間・便でJALとの共同引き受けが行われ、一部便ではJTA機・クルーで運航される。沖縄発着でない便でもジンベエ・さくらジンベエに会える可能性がある。

JTAはジンベエジェットや機内でのARサービスをはじめとする沖縄を感じられるサービスや、快適な機内空間をつくりだすスカイインテイリアを搭載した機材(一部機材を除く)など素晴らしいサービスを提供しておりとてもあたたかく、また乗りたいと思う航空会社だ。

沖縄発着路線はもちろん、羽田=小松線や岡山線など利用する機会がありましたら、JTAの利用も検討してみると良いだろう。

是非、またうちなーの翼JTAにお邪魔したい。

 

以上