小冒険
長崎空港から長崎駅まで移動する際、レンタカーやタクシーを使わなければ、リムジンバスを使うことが多いだろう。しかし、他にもバスで大村駅まで行き、鉄道を用いて長崎駅まで移動するなど、様々な方法があるだろう。
2022年9月23日、また新たな手段が生まれた。
それが、『西九州新幹線かもめ』。
長崎空港に航空機で到着後、バスで最寄りのバス停へ、徒歩で新大村駅へ行きかもめで長崎駅へ。
この記事では長崎空港から新大村駅まで移動した際の様子をレポート致します。
長崎空港
たま~に見かけるこのタイプのエスカレーター。長崎空港に到着後、1階にあるバス乗り場へ移動。
まずは、長崎空港から高速・バイパス・昭和町・浦上経由の長崎駅(駅前ターミナル)行きの県営バスに乗車し3つ先のバス停『植松東』まで乗車します。
国内線到着出入口を出て左手にバス乗り場があるかと思います。恐らくバス乗り場は5番だったかと思いますが、現地でご確認ください。
県営バスの場合、運賃はnimocaやSuica、はやかけんなどのICカードを使用することができますので、乗車券は購入せずそのまま列に並ぶことができます。
今回のような場合に限らず、行先やバス乗り場がわからない場合、確認したいときには、係員の方が数名いらっしゃる場合があるので、その方に確認すると親切に教えていただけます。
また、長崎空港のHPにはリアルタイムで何番乗り場からどこ行きが何時に出るかがわかる発車標のようなものが提供されています。こちらも参考になるかと思います。
バスで移動
バスに乗車すること約10分。冒険心から、予定していた『植松東』より一つ手前のバス停『桜馬場』で下車してしまいました。
長崎空港から植松東並びに桜馬場までの運賃は大人1名210円です。
バスはとても空いていて、そのままずっと乗っていたいぐらいでしたが、目的があるため下車。桜馬場からも1名乗車してこられました。
Googleマップを信じすぎた
何も考えず、知らぬ土地に降りたので、ひとまずはGoogleマップで『新大村駅まで』と検索。ルートを表示してもらい、その通りに歩くことにした。
今言えることとしては、上の地図上に表示されているルートはどちらもあまり信用性は高くない可能性があります(2023年4月時点)。新しくできた新大村駅ですので、Googleマップがまだ対応しきれいていないというのがひとつあるのでしょう(予想)。
実際、ルートの目的地となっているところは駅の改札口へつながる場所とは異なり、変な場所に着くかと思います。
16分ルートのどこが実際と異なっているのか紹介します。
新幹線開業後、新大村駅より竹松まで在来線を利用された方はわかりやすいかと思いますが、ルート上に線路を超える箇所があります。しかし、その場所は普通に在来線が地上を走行しており、踏切もありません。
つまり、ここを渡ることは不可能、通れないのです。
しかし、これにはちゃんと理由があります。
実際に見てみた
とりあえずGoogleマップに表示された通りに歩いてみました。表示されている道は夜、にぎわっているという感じはなく閑静な住宅街といった感じでした。
そのまま、線路を渡るとされている地点に近づくと、フェンス、線路。もちろんここを渡ることはできません。
なぜなら、
西九州新幹線開業に伴い、踏切が廃止
されたからです。
踏切がなくなった
2022年9月23日に開業した西九州新幹線。それに伴い、在来線や沿線地域でも様々な変更があったようです。この踏切の廃止もその中の一つとみられます。
上のストリートビューは2022年8月に撮影されたもののようです。つまり、新幹線開業以前に撮影されたもの。
ここに写っている踏切(小路口第二踏切)が廃止となったのは新幹線開業日のようで、上のストリートビュー撮影後少しに廃止されたようです。
Googleマップ結論
Googleマップが現状に少し追いついてないなかったということですね。
元々あった踏切がなくなったのでそこのアップデートが追いつかず、誤ったルートを表示してしまった。また、もともと車両が通過できない踏切だったのでそういったところも影響しているのでしょうか。
しかし、Googleマップ側も『ご注意ください』と、誤ってるかもしれない、実際とは異なるかもしれないというニュアンスで言っていますので、Googleマップが悪いということではない、ということはご承知おきください。
再出発
踏切がなくなった跡地を見学したら、そのまま引き返し、新大村駅へ向かいます。ここでも、Googleマップで経路検索をかけると、変なルートしか出てこなかったので、地図をしっかり見て、新大村駅のさざなみ口まで歩きました。
踏切があった場所から駅までの道のりは単純で、矢印の通り割と広めの道を歩いていきます。最後の矢印を左に曲がると、一気に周囲が開け、新しい駅『新大村駅』が見えてきます。
新幹線6両分とはいえ、迫力のある駅舎です。白色の光がとても印象的で、台形の形が目立つ、新大村駅に到着です。
新大村駅
2022年9月23日に開業した新大村駅。新大村駅は一部新幹線だけでなく、在来線列車も停車し、長崎空港から車で約10分の位置にある駅。
駅前は恐らく開発中。どんどん実際の駅前は変化していくと考えられますので、詳しくは紹介いたしません。
訪問時、どんな様子だったかをお届けいたします。
さざなみ口のロータリー。この駅の周りだけ、光を放つ物体の数が多すぎます。
画像中央には観光案内版もあり、タクシー乗り場、その他車両乗降場所もありました。
このさざなみ口側には在来線ホームがあり、フェンス越しにYC1系が走行しているのを見ることができます。(この画像)
在来線竹松駅側には廃止された踏切に代わり、新たな植松踏切が設置されています。
さざなみ口はロータリーの設置のみで、下の画像の看板にも表示されている通り、新幹線や在来線ホームへ行くには反対のさくら口へ移動する必要があります。
さざなみ口からさくら口へは地下通路を通り、行くことができます。画像は階段ですが、荷物が多い時や階段の利用が難しい時に助かる、エレベーターも設置されています。
地下通路は夜でもとても明るいです。また、地下通路両側出入り口付近に地下通路内の様子を確認できるモニターが設置されており、リアルタイムで外から中がどんな様子になっているかを確認できるようになっていました。
地下通路を抜けると、さくら口(東口)側に出ます。列車やバスに乗車する場合には基本的にこちらを利用する形となるようなので、さざなみ口側に比べ少々広かった印象にあります。
さくら口側には、人が大の字をすると大村市の市章が完成する大きなモニュメントも設置されています。
ロータリーもあり、タクシーが数台停まっていたかと思います。
先述した通り、改札がさくら口側にのみ設置されているので、駅の施設などもさくら口側に多く設置されています。夜の時間帯になると既に営業を終了していますが、観光案内所やみどりの窓口もしっかりと設置されています。
新幹線ホーム
ここまで、長崎空港からの道のりと駅外観について紹介してきましたが、ここからは駅の内側、新幹線ホームをメインで紹介いたします。
さくら口から駅建物内に入ると、右手に新幹線改札やみどりの窓口、左手に在来線ホームへ続く通路があります。
この記事で在来線のホームに関しては紹介いたしません。
新幹線改札前には自由席券売機が1台のみあり、インターネットで購入したきっぷの受け取りや、指定席特急券を購入する場合には、自由席券売機向かって右手にある、みどりの窓口を利用する必要があります。みどりの窓口は営業時間が定められており、営業時間外の場合、指定席特急券などを新大村駅で購入することは基本的にはできないようです。
駅係員の方にとても丁寧に対応していただきました。
この自由席券売機では、『※九州内一部特急列車・当日のみ・現金のみ』と表記されている通り、指定席券売機などとは異なるため、新大村から長崎や博多、鳥栖までの乗車券と特急券のみを買い求めることが可能です。また、現金のみの取り扱いですが、1万円札や2千円札も使用可能と表示されていました。しかし、使用可能硬貨の欄に5円玉の表示はありませんでした。
○ 07:30~11:00
○ 11:45~15:10
○ 15:40~19:00
何度も言っているようですが、全体的に新しくきれいな印象にありますが、駅全体で白色で明るいといった印象があります。
画像左手が、みどりの窓口や自由席券売機。右手は待合室となっており、中にはベンチの他、コインロッカーの設置もありました。そして、奥が新幹線改札内となります。
新大村駅には自動改札が2レーン、有人改札が1レーン設置されていました。
素人なりの考察ですが、改札機が設置されているエリアは広さにまだ余裕があるように見えます。今後、需要に応じて自動改札機を増やすといったこともできるのでしょうか。
改札内
改札口は1階、ホームは上がって2階にあります。画像にもある通り、改札から内側に入ると正面にはお手洗いが設置されています。お手洗い向かって左手、11番のりばが武雄温泉・博多方面、右手、12番のりばが諫早・長崎方面のホームとなります。
そして、お手洗いの前には工業高校の機械システム科の方々が製作したという、ミニトレイン的な、新幹線かもめを模したミニ新幹線が展示されていました。左のボードに実際にイベントで使用された様子も載っていました。
このミニ新幹線が展示してある、奥がお手洗いになります。入り口は後ろに少し見えている壁により、入らなければ入り口があまり見えないつくりとなっていました。
それではホーム階へ上がります。乗車する長崎方面の列車は12番のりばから出発します。のりばの数字の隣に、何方面か記載されていますのでわかりやすいかと思います。
各のりばへはエスカレーター、階段、エレベーターのいずれかで上がることができます。
ホームですが、新幹線駅でよく見られる2面2線の対面式ホームになっており、ホームドアがしっかりと設置されていました。
ホーム上にも待合室があり、待合室内でも列車を待つことができます。また、待合室外にもベンチがいくつか設置されていて、外気を吸いながら列車を待つことも可能です。
追加情報
長崎空港から新大村駅まで15分500円で運行してくれる、『おおむらかもめライナー』という乗り合いタクシーが実証運行中だそうです。
バスに比べると料金は少し高いかもしれませんが、長崎空港から新大村駅の目の前まで連れて行ってくれるという点はメリットかもしれません。
WEBで出発予定時刻30分前まで予約が可能で、概ね1時間に1本程度運行されているようです。
しかし、乗り合いタクシーという性質上、航空機の長崎空港への到着が遅れた場合であっても、すべての停留所を定刻で出発するとのことです。
総括
長崎空港から新大村駅まで、情報や新たな発見が盛りだくさんの移動でした。
長崎空港から新大村駅まで、これを書いていて思ったこととしては、現時点ではおおむらかもめライナーが一番便利なのではないかということです。
長崎空港から長崎駅までは、現在でも直行のリムジンバスが運行されています。料金は1,200円で時間は50分前後といったところ。それに比べ、この記事と#2で紹介した移動方法だと、料金は1,840円で時間は1時間と少し(今回の場合)。しかし、『おおむらかもめライナー』を利用した場合、今回の移動に比べ、時間は50分強となり、料金は290円程高くなります。
時間 | 料金(大人1名) | |
---|---|---|
リムジンバス | 43分 | 1,200円 |
新幹線*1 | 56分 | 2,130円*2 |
*1 おおむらかもめライナー+かもめ51号 *2 かもめ乗車券+特急券、自由席利用時 ※リムジンバスの所要時間は最速のもの
つまり、時間と安さ、便利さなど移動の効率性を考えたときに、選ぶのは直行のリムジンバスかと思いました。
ただ、空港から長崎市へ向かう途中、急ぎでないのならば、寄り道をして新しい発見をしてみるのもおもしろいのではないかと思いました。
ぜひ、再度訪れたいと思っており、実証運行中の『おおむらかもめライナー』も気になるものです。また、明るい時間の駅舎、駅周辺も見てみたいものです。
新大村駅から長崎駅までは別の記事で#2として紹介しております。ぜひご覧ください。
※情報は2023年4月以前
参考
kamome-liner.demands.noruuu.jp
以上