雪の中重なる遅れ
ある年の冬、雪降り積もる旭川空港で祭りというほどでもないかもしれないが、度重なる遅延が発生した。
旭川にJAL×2
進行形で雪が降っていた旭川空港。展望デッキからエプロンを見てみると、画像の通りJAL機が2機も同時に旭川空港に駐機していた。左に駐機しているJAL機は”JAPAN AIRLINES”の文字がかすんでしまうほど雪が積もっている。なかなかめずらしい光景だったと感じている。(そのはず)
なんでめずらしい?
まず、2023年6月時点での通常時の旭川空港の国内線就航便・会社は旭川と羽田を結ぶ便が、AIRDO1日3便、JAL1日4便となっています。
一部時間帯、JAL機とAIRDO機の旭川空港滞在時間が重なることがありますが、AIRDO機同士や、JAL機同士が同じ時間帯に旭川空港にいることは時刻上まずありませんし、基本的には見ることができる光景ではありません。
つまり、なんらかのトラブルの発生や臨時便の就航等がしていない限り見ることのできない光景ということになるのです。
搭乗
今回お世話になるのはSKYRECLINERを搭載した国際線機材。エコノミーはJAL国際線の赤がベースの方ではない方のベーシックなタイプのシートだったかと思います(少し下に画像があります)。モニターは737のものに比べると大きく、座り心地は空いていたことも少し関係しているかもしれませんが、快適でした。
すっかり日も落ち、外は真っ暗。機内は穏やかな雰囲気で、定刻より3時間50分遅れの17:00頃ドアを閉め、出発。
滑走路に入り、停止したままエンジンのパワーを上げ、少しした後、前に進み始め離陸滑走が始まりました。そして、そのまま離陸。
どんな状況?
※ここから先、便の定刻について当時のものを参考にしています。
ここで複雑な遅れの状況を説明します。
まず、JL554便は通常であれば13:10に旭川を出発する予定でした。しかし、『飛行機の整備のため出発に遅延』が生じており、3時間50分の遅延が決定していました。
定刻13:10発 旭川発羽田行き JL554便
機材整備で出発が3時間50分遅れ
JL554便に使用される機材はJL553便として羽田から旭川へ飛んできました。その便は定刻通りだったようですが、その折り返しのJL554便で羽田へ飛ぶ前にトラブルが発生したようで、整備に時間を要し大幅な遅れが発生したということでした。
先ほどの時刻表を参照していただくと分かるかと思いますが、遅れているJL554便の新しい出発時刻”17:00”の前に"16:15"発のJL556便あります。
13:10に出発する予定だったJL554便に使用される機材は、変更後の17:00まで整備のためもちろんですが旭川空港に駐機していることになります。
その間に、まず13:25発のHD84便が出発します。そして、15:25にJL555便が旭川に到着します。さらに、JL555便で到着した飛行機はそのまま折り返しで"16:15"発JL556便として羽田へ向け出発します。つまり、本来1便後のはずの便の方が1時間程早く出発し、羽田にも早く到着するということになります。
そこで、機材整備というJALが原因の遅延になるため、無償で振り替えや払い戻し等を行っていたはずです。すると、JL556便に振替をすることも可能だったはずで、ここまで説明をしてきた状況だと、AIRDOが出発した後であれば、最速で羽田に戻るにはJL556便に搭乗するというのが最善の手段ということになります。
ここでさらにトラブル
JL556便の保安検査締切時刻を過ぎた頃、日本航空からアナウンスが入りました。『定刻16:15発東京羽田行きは機材トラブルのため出発が少々遅れる見込み』という旨のアナウンスでした。その時点で、出発は20分遅れの16:35に変更となっていました。
この時、変更後の出発時刻に対しても、保安検査締切時刻は既に過ぎていたので、JL556便の搭乗される方は、保安検査場を通過していたということになるでしょう。
定刻16:15発 JL556
変更①20分の遅れ 16:35発
変更②さらに40分の遅れ 17:15発
→ 羽田にはJL554便よりも遅く到着となる
この遅れだけならまだ良いでしょう。しかし、JL556便はさらに40分の遅延が決定し、最終的には定刻から1時間遅れ、17:15発に変更となりました。
つまり、遅れていたJL554便よりも早く旭川を出発するはずだったJL556便は結局順番通り、JL554便の後に出発することとなってしまったということです。
そして、JL554からJL556に振り替えられた方々は結果的には羽田に少し遅く到着することになってしまったのでした。
キャプテンより
エコノミークラスはこんな感じの、767国際線仕様機。とても快適で過ごしやすかったです。
シートベルト着用サインも消灯し、機内が落ち着いた雰囲気になってきたころ、キャプテンより挨拶がありました。その際、遅延の理由もアナウンスされました。
穏やかなフライト
外は終始暗いフライトで、機内も暗めの照明で、落ち着いた雰囲気が流れていました。
大幅な遅延をしていましたが、終始穏やかでとても心落ち着くフライトになりました。振り替えをせずそのまま搭乗されていた方々は、時間と心に余裕があったのかもしれませんが、そんな便に巡り合えたこともとても良い経験となりました。
その後JL556便も整備を終え、無事に羽田空港へ到着したようでした。
なにより、トラブルはありましたが、安全に無事に目的地に到着することができ良かったなと思っています。時間通りに飛ばなければ困ることは多いかと思いますが、やはり安全が一番ということを改めて認識できたフライトでした。安全に飛ばしてくれた方々に感謝の気持ちでいっぱいです。
以上